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つぶやき。(日本で働いていた時の印象:「あちこちでいろんな人がとてもがんばってるんだけど、いまいち「バラバラ」で無駄が多い気がするんだよなあ・・・。」)
スペシャルニーズをもった子供に対して、「より質が高くその子供自身のニーズにあった教育サービスを計画・提供しよう!」という目的の下その子供のティームが形成される時、最も重要なメンバーは、"その子供自身と家族"です。
アメリカでは、スペシャルニーズを持った自分の子供に対する教育サービスをプラン・実施する全ての過程において十分に情報を与えられ、十分に発言の機会を与えられ、「その子供についてのエキスパート」「意志決定者」として家族が尊重されることが、法律でも、また、障がい児教育に関わる人々の中でも大変強調され、重要視されています。
障がい児教育サービスの対象となる子供とその家族がアメリカの中でどう捉えられているか、ということをまとめると大きく3つのことが言えると思います。
「家族」は、子供の人生を通して常に存在するものであり、また、その子供とその家族は互いに影響を及ぼしあう1つの"ユニット"を形成しているから、子供の教育を考える時「家族」というシステムを無視して働きかけることはできない。
したがって、その子供の教育的な長期・短期の目標を設定する場合、家族の「心配ごと」や「優先事項」は尊重され、それを元にティーム全体で同意の得られた目標やゴールを設定するべきである。
「家族」は、受け身的なサービスの消費者ではなく、ティームのサポートをうけて、それまであまり意識されなかった「家族システム」の中に存在する『人的・物的資源』や『強み』を有効に開発活用し、また、居住地域にある資源を有効に活用するための『ネットワークシステム』を構築していく、能動的かつ主体的に動ける(あるいは、動けるようにサポートされるべき)存在である。
インクルージョンを成功させるためには、そういった当事者家族の他にも、実際に日常生活の中で関わることになるクラス担任やアシスタントの教師、さらには、音楽・体育・美術などの特定の教科で対象の子どもと接することになる教師等ももちろん重要なティームのメンバーになってきます。
加えて、インクルージョンを実施する園や学校の「長」の存在も欠かせず、アクティブに、そして"見える形"でインクルージョンをサポートする校長・園長の存在は、インクルージョンを成功させるための1つの重要なキーポイントであることが指摘されています。インクルージョンを始める場合、通常それまでより多くの時間や情報などが必要とされますが、「長」の理解と援助があってこそ、ティームミーティングの時間、ワークショップ等トレーニングへの参加、といった担当教師に対する時間的・精神的・情報的・そして、システム的な援助が可能となるわけですね。
アメリカの「ティーム」という考え方の中で現在最も発展してきているものは、Transdisciplinary team (トランスディサプリナリー・ティーム)という、日本語で言うといわば
というような考え方です。私、個人的にこれ、とても注目しています。
たとえば、ある子供のティームのメンバーとして、その子供と家族、園長の他にST(言語療法士),PT(理学療法士),OT(作業療法士),クラス担任がいたとします。まあ、日本では、これらのそれぞれ違った学問領域の人たちが一緒にティームとして働くこと自体がまだほとんどないと思うのですが、アメリカで初めに出てきた「ティーム」という考え方では、一応みんな同じティームのメンバーだけれど、それぞれが、それぞれに子供を評価して、それぞれの指導目標を立ててそれぞれに子供と関わっていました。単にその"情報をわかちあう"という意味でのティームだったんですね。
それがいろいろと改善を経て、現在よく言われるようになったトランスディサプリナリー・ティームでは、お互いがお互いの専門知識や技術そのものをわかちあって、ティームメンバーの中の役割分担の境界線を「時と場合と子ども」にあわせて柔軟に変更・調整します。
たとえばそれまではSTの人の役割とされていた言語領域の関わりを、OTの人もSTの人から情報や技術をもらって、チャンスがあればSTの役割もこなしたりするわけです。(ex. 「クレヨンで大きく手を動かして横線を引く」というOTの専門分野に入る教育目標についての関わりを行っているときに、同時に、「色の名前を理解する」というSTの専門分野に入る教育目標についての関わりも行う)。
結局、子供の発達というのは、「・・分野」「・・領域」と、それぞれ別々に発達するわけではないし、子供が日常参加する活動というのも、様々な分野や領域に関連する事項がいろいろに重なり合った事象なわけで、それを「私は、・・分野の人間ですから専門の分野しかやりません。」という人たちが集まった「ティーム」より、その子供の発達や活動の"複雑さ"を理解してお互いに協力しあう「ティーム」の方が、子供の発達を有効に促すという意味で理にかなっている!!と考えるんでしょうね。
実際、私も実習先のインクルージョンを行っている幼稚園で、ST,OT,PTの人たちからいろいろアドバイスや技術などをもらいつつ、彼らの役割の一部を引き受けて対象の子供の日常生活の中で様々な側面から関わる、という経験をさせてもらいましたが、別に、他の専門分野のことだから「できない」、なんてことはないんですよね。意外に。と、思いました。教えてさえもらえれば、ある程度、誰でもできる・・・と。もちろん、定期的にアドバイスをしてもらったり適切にサポートしてもらえれば、の話ですけれど。
古い研究ですが、インクルージョンが始まった当初(当時は"メインストリーミング"と言われていました。)、受け入れ側の教師のメインストリーミングに対する態度を調査した研究で、校長・園長などの「長」や、関連した専門家からのサポートを多く受けた教師は、メインストリーミングに関する成功経験が多く、その成功経験は教師のメインストリーミングに対するポジティブな態度の形成につながっていたという研究がありました (Larrivee&Cook,1979)。
インクルージョンという教育方法そして教育哲学が、長く広く定着するためには、通常学級の教師のポジティブな受け入れが重要であり、そのためにも「孤独な戦い」ではなく「ティーム」としてのサポートシステム、しかも、よりオープンなコミュニケーションを促すためには、「上下関係」ではなく「パートナーシップ」により結ばれたティーム、というのが非常に重要であると考えています。
文責:笠原真帆
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