"" インクルーシブな幼稚園・保育園の障壁
Barriers to Preschool Inclusive Services
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ジェイコブが幼稚園に入った初日。わたしはとっても心配でした。だって、ジェイコブはほんとに小さくて、それに障がいを持っていることがかなり明らかでしたから。担任の先生も不安そうでしたので、わたしはつとめて明るく振る舞って先生が必要以上に不安にならないように手助けしました。
先生がジェイコブを朝の集いに連れていったので、わたしはそのまま帰ろうとしたのですが、その時園長先生に何かを言おうとして振り返ったんです。振り返って子供達がいるところを見た時、なんとジェイコブをすぐに見つけることができませんでした。子供達はみんな床の上に寝転がって、これから始まる一日に備えて体の緊張をほぐすための運動をしていたのですが、そんな子供達の中でジェイコブのことをすぐに見つけられなかったんです!
子供達に完全に近付いてみてようやく、隣に寝転がった男の子をみつめるジェイコブを見つけることができました。その小さい男の子はジェイコブにこう言ってたんです。「伸ばして、伸ばして。」お友達は皆体を伸ばしていました。そしてジェイコブも、他の皆と同じように自分の腕を体の外に向けて伸ばしました。

わたしはとっても驚きました。それ以上そこにいると涙がこみあげてきそうだったので、わたしは教室を離れました。ジェイコブがお友達の中にいること。そしてその中にすっかり溶け込みはじめていることが信じられないくらい、うれしかったんです。もしあの時、誰かが教室の中に入っていったとしても、きっとジェイコブのことなど気づきもしなかったでしょうね。本当に素晴らしい発見でした。結局、ジェイコブだって他の子供達と何らかわりのない、ただの小さい男の子なんだってこと。

ラモナ(ジェイコブの養母)

 

幼稚園・保育園でのインクルージョン実施/成功を妨げる可能性のある要因

  • 十分にトレーニングを受けたスタッフの不足
    通常、幼稚園・保育園スタッフ(普通教育スタッフ)と障がい児教育スタッフは、それぞれ全く異なるトレーニングを受けてきている。また、多くの幼稚園・保育園スタッフは、障がいをもつ子どもを預かるだけの専門知識を持っていないと感じている。更には、どちらのスタッフにとってもコンサルテーションやチームとして働くことについての知識や情報が求められるが、養成過程においてそのようなトレーニングを受けてきていないことも多々あるだろう。加えて、より一般的な知識の他に、実際に園にいる子どもがもつスペシャルニーズについての特別なトレーニングを必要とするスタッフもいるかもしれない。

  • 普通教育ー障がい児教育間の哲学的な相違
    それぞれの専門分野の中にも様々な異なる哲学が存在するのと同様に、専門分野間でも哲学の相違が存在するかもしれない。普通教育と障がい児教育というそれぞれの専門分野は、もともと異なる基盤から発生してきており、したがって各スタッフが「子ども」や「教育」ということに対して異なる考え方やアプローチ法をもつかもしれない。

  • 関連サービスの不足
    障がいをもつ小さい子供達は、様々な専門分野からのサービスを必要とすることがあるだろう。そしてそういった専門サービスは、通常普通の幼稚園や保育園では提供されていない。したがって、園外からそれらの専門サービスを確保し、必要なサービスが子どもが生活する園の中で提供されるように連絡調整をしなければならない。そしてその結果、様々な機関で働くスタッフが協力して計画を立てること、および関連サービス提供スタッフが複数の機関や園をかけもちで関わっていくことが必要となってくるだろう。

  • 監督システムの欠如
    州で定められた教育機関が、3〜5歳の障がいをもつ子供達に対する無償で適切な公教育の提供、およびそれらのサービス提供の記録に関する責任をもっているが、誰がそのようなサービスを提供できるか、あるいはサービス提供の記録に関して様々な問題が持ち上がってきている。

  • 大人の態度
    インクルージョンに対する、あるいはサービス提供方法の変化に対するネガティブな態度が障がい児教育スタッフ・園スタッフ・家族などにみられる場合、それがインクルージョン実施の大きな障壁になり得る。また、関わる人間の間に気がかりや準備不足などがある場合も妨げになり得るだろう。集中的な専門家によるセラピーが受けられない普通の園にわが子を通わせることについて、家族は気持ち的に少し落ち着かないかもしれない。あるいは他のお友達からからかわれたり怪我をさせられたりするかもしれないと不安に思うかもしれない。クラスの担任は、障がいをもつ子どもを担当できるような専門的な知識をもっていないと不安に感じるかもしれない。また、障がい児教育専門家は、直接子どもと関わって”指導する”役割を他の誰かに譲って自分はコンサルタントとしてサービスを提供する事について、必要なスキルをもっていないなど気持ち的な準備の面で不安があるかもしれない。

 

出典:Thompson, B., Wickham, D., Wegner, J., Ault, M., Shanks, P., & Reinertson, B. (1993). Handbook for the inclusion of young children with severe disabilities. Lawrence, KS: Learned Managed Designs, Inc.

 

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コピーライト©2002, University of Kansas, Circle of Inclusion Project.
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